No.163新着 日本の映画賞 日本アカデミー賞、キネマ旬報、毎日映画コンクール、ブルーリボン賞の違い
日本の主な映画賞は、誰が選ぶか、いつ始まったかがそれぞれ違う。キネマ旬報は1924年、毎日映画コンクールは1946年、ブルーリボン賞は1950年度、日本アカデミー賞は1978年に始まった。
本文と出典
あらまし
日本には映画賞が多い。同じ年の映画を扱っても、結果が違うのは珍しくない。選ぶ人も、始まった事情も違うからである。ここでは四つの賞を、創設の年と選び方の違いに絞って整理する。
主なできごと
・1924年 キネマ旬報ベスト・テンが始まる(当初は外国映画のみ)
・1926年 キネマ旬報ベスト・テンに日本映画が加わる
・1946年 毎日映画コンクールが始まる
・1950年度 ブルーリボン賞が始まる(第1回の授賞式は1951年3月22日)
・1978年 日本アカデミー賞が始まる(第1回の授賞式は4月6日)
くわしく キネマ旬報ベスト・テン
最も古いのは1924年に始まったキネマ旬報ベスト・テンである。始めは外国映画だけを対象に、「芸術的に最も優れた映画」と「娯楽的に最も優れた映画」の二部門だった。日本映画は、国内の水準が上がったことを理由に、1926年から加わった。映画評論家、新聞記者、雑誌編集者など120人前後の選考委員が、各自10本を選ぶ。1位に10点、10位に1点を付けて合計する。投票者と選考理由は毎年2月の特別号で公表される。1941年と1942年は日本映画のみ、1943〜1945年は中止、1946年(第20回)に再開した。日本映画の1位には、1953年の『にごりえ』、1955年の『浮雲』、1958年の『楢山節考』など、監督主導の作品が多い。多様な視点の集計のため、興行的な大ヒット作とは異なる作品が選ばれやすいとされる。
くわしく 毎日映画コンクール
1946年に始まり、主催は毎日新聞社とスポーツニッポン新聞社である。第37回(1982年)までは毎日新聞社の単独主催で、第38回(1983年)からスポニチが加わった。前年1月1日から12月31日に公開された作品が対象で、日本映画大賞、監督賞、脚本賞などが選ばれる。1976年(第31回)から、映画ファンの投票で決まる映画ファン賞がある。2024年(第79回)に、俳優部門の男女の区別がなくなり、主演俳優賞・助演俳優賞に統一された。アニメーション部門は大藤信郎賞のみになった。
くわしく ブルーリボン賞
主催は東京映画記者会で、東京のスポーツ紙の映画記者が運営する。ウィキペディアは、創設を1950年とし、当初は東京映画記者会賞と呼ばれたとする。第1回の授賞式は1951年3月22日で、作品賞は『また逢う日まで』だった。新人を早く見つける賞という評判があり、会員の投票で候補を決め、1月に記者が審議して多数決で決める。名は証書を結ぶ青いリボンに由来し、野外で映画を取材する記者を象徴するという。
くわしく 日本アカデミー賞
1978年の設立発表は2月8日、第1回の授賞式は4月6日で、第1回の最優秀作品賞は山田洋次監督の『幸福の黄色いハンカチ』だった。主催は日本アカデミー賞協会で、アメリカの映画芸術科学アカデミーから正式な許諾を得て発足し、同じ形式の運営方式をとる。協会会員の投票で優秀賞が決まり、その中から会員の投票で最優秀賞が選ばれる。得票数は公表されない。第32回では『おくりびと』が作品賞、監督賞、脚本賞など10部門で最優秀賞を受けた。
四つの違い
選ぶ人で並べると、キネマ旬報が批評家、毎日映画コンクールが新聞社二社の主催、ブルーリボン賞が映画記者、日本アカデミー賞が業界の協会会員である。始まりの順では、1924年、1946年、1950年度、1978年となる。毎日映画コンクールは例年2月上旬に授賞式がある。
なぜ違う結果になるのか
批評家投票は、作品としての評価に傾く。協会会員の投票は、映画会社や業界内の評価に傾くと考えられる。ただし、これは選び方からの推測であり、実際の傾向は、年ごとの結果を比べて確かめる必要がある。
評価の分かれる点
どの賞が最も権威があるかは、意見が分かれる。歴史ではキネマ旬報、知名度では日本アカデミー賞が挙がるとされるが、序列は決められない。男女別の俳優賞をなくす動きも、毎日映画コンクールのほか、ベルリン国際映画祭で2020年に起きており、賞の形が変わりつつあることを示す。
くらさんの考察
批評家、新聞社、記者、業界と、選ぶ主体が違うため、同じ年に別の作品が選ばれても矛盾ではない。受賞作を一つの物差しでなく、四つの目として読む方が、日本映画の年の姿が見えやすいと考えられる。
ジージへの問いかけ
・毎年の映画賞のなかで、いちばん気にして見ていた賞はどれでしょうか。
・受賞作が自分の好みと合わなかったことはありましたか。
出典
・キネマ旬報ベスト・テン(ウィキペディア) https://ja.wikipedia.org/wiki/キネマ旬報ベスト・テン
・毎日映画コンクール(ウィキペディア) https://ja.wikipedia.org/wiki/毎日映画コンクール
・ブルーリボン賞 (映画)(ウィキペディア) https://ja.wikipedia.org/wiki/ブルーリボン賞_(映画)
・日本アカデミー賞(ウィキペディア) https://ja.wikipedia.org/wiki/日本アカデミー賞
・おくりびと(ウィキペディア) https://ja.wikipedia.org/wiki/おくりびと
・ベルリン国際映画祭(ウィキペディア) https://ja.wikipedia.org/wiki/ベルリン国際映画祭
動画
主演男優賞松村北斗「夜明けのすべて」【2024年第98回キネマ旬報ベスト・テン(11)】(【公式】キネマ旬報)https://www.youtube.com/watch?v=AzkMCnPYrzE
・【山田洋次監督 94歳】3度目のブルーリボン賞・監督賞を受賞(日テレNEWSカルチャー【公式】)https://www.youtube.com/watch?v=wO1WAfHzpOY
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