No.162新着 アカデミー賞と日本 名誉賞の時代から『ゴジラ-1.0』、2026年の授賞式まで
日本映画のアカデミー賞は、1950年代の名誉賞に始まり、2009年の『おくりびと』、2022年の『ドライブ・マイ・カー』、2024年の『ゴジラ-1.0』などへ続く。2026年3月の第98回の結果も確かめた範囲で記す。
本文と出典
あらまし
アメリカのアカデミー賞は、日本の映画ファンにとっても最もよく知られた賞である。日本映画の受賞は、時代によって部門が変わってきた。ここでは、英語版ウィキペディアの一覧と各作品のページから、受賞の流れを整理する。
主なできごと
・第24回 『羅生門』(1951年の作品)が名誉賞
・第27回 『地獄門』が名誉賞と衣裳デザイン賞(カラー)
・第28回 『宮本武蔵』(英題 Samurai)が名誉賞
・第75回 『千と千尋の神隠し』が長編アニメ映画賞
・第81回(2009年2月) 『おくりびと』が外国語映画賞
・第94回 『ドライブ・マイ・カー』が国際長編映画賞
・第96回(2024年3月10日) 『ゴジラ-1.0』が視覚効果賞、『君たちはどう生きるか』が長編アニメ映画賞
・第98回(2026年3月15日) 『国宝』がメイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネート
くわしく 名誉賞の時代
英語版ウィキペディアの一覧は、『羅生門』(第24回)、『地獄門』(第27回)、『宮本武蔵』(第28回)の三作を名誉賞として挙げる。当時は外国語映画賞が競争部門になっておらず、名誉賞の形で贈られていた。『地獄門』は衣裳デザイン賞(カラー)も受けた。日本語版の『おくりびと』のページには、「日本映画初の外国語映画賞」と報じられることが多いが、名誉賞の時代にすでに日本映画3本が受賞しているため、注意が必要だという注釈がある。
なお、一覧のページでは、『羅生門』の扱いが名誉賞なのか外国語映画賞なのかに、記述の揺れがある。作品の年と授賞式の年も一致しないため、年の表記は資料により異なる。
くわしく 外国語映画賞から国際長編映画賞へ
2009年に『おくりびと』(滝田洋二郎監督)が、第81回アカデミー賞の外国語映画賞を受けた。授賞式は2009年2月22日の報道が確認できた。モントリオール世界映画祭のグランプリ、日本アカデミー賞の最優秀作品賞なども受けている。部門名はのちに国際長編映画賞となり、2022年に『ドライブ・マイ・カー』が受賞した。この作品は作品賞、監督賞、脚色賞にもノミネートされ、作品賞候補は日本映画として初めてかもしれないと記されている。2018年の『万引き家族』は第91回の外国語映画賞にノミネートされたが、受賞は『ROMA/ローマ』だった。
くわしく アニメと視覚効果
長編アニメ映画賞では、『千と千尋の神隠し』(第75回、2002年の作品)と『君たちはどう生きるか』(第96回)が受賞した。ノミネートは、『ハウルの動く城』(第78回)、『風立ちぬ』(第86回)、『かぐや姫の物語』(第87回)、『思い出のマーニー』(第88回)、『レッドタートル ある島の物語』(第89回)である。宮崎駿は2014年に名誉賞も受けている。
『ゴジラ-1.0』は第96回で視覚効果賞を受けた。ウィキペディアは、邦画・アジア映画史上初としている。山崎貴監督が同賞を受けたのは、『2001年宇宙の旅』のスタンリー・キューブリック以来55年ぶりで、史上2人目とされる。北米では2023年12月1日から英語字幕付きで公開され、累計興収は5,600万ドルを超えて、北米で公開された邦画の実写映画として歴代1位だった。
くわしく 2026年の第98回
授賞式は2026年3月15日にロサンゼルスのドルビー・シアターで行われた。作品賞は『ワン・バトル・アフター・アナザー』、国際長編映画賞はヨアキム・トリアー監督の『センチメンタル・バリュー』(ノルウェー)、長編アニメ映画賞は『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』、視覚効果賞は『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』だった。日本に関わるものでは、『国宝』がメイクアップ&ヘアスタイリング賞にノミネートされ、受賞は『フランケンシュタイン』だった。また、日本出身のカズ・ヒロが『スマッシング・マシーン』で同じ部門にノミネートされたが、受賞は逃した。ただし、今回開いた資料は全体の前半のみを読んでおり、他部門の日本関連の結果は確かめていない。
なぜ今も語られるのか
日本映画の受賞が、部門ごとに別の意味を持つからである。『おくりびと』『ドライブ・マイ・カー』は作品の力、『ゴジラ-1.0』は技術の力、ジブリは長年のブランドの力と、見る視点が分かれる。
評価の分かれる点
「日本映画初」の数え方は、名誉賞を含めるかで変わる。『おくりびと』のページが注意を促すとおりである。また、カンヌのページには、2026年に改定された規則で、カンヌを含む6つの映画祭の最高賞受賞作が2027年の第99回アカデミー賞の国際長編映画賞に応募できるようになったという記述がある。この改定の影響は、今回確かめていない。
くらさんの考察
部門が分かれるにつれ、日本映画の受賞は、俳優や作品全体の評価から、技術・アニメへ広がったと考えられる。ただし、受賞しなかったノミネート作も多く、数字の羅列から断定はしない。
ジージへの問いかけ
・『おくりびと』が受賞した日のことを覚えていますか。
・特撮の『ゴジラ』が、アカデミー賞で評価されたことをどう感じましたか。
出典
・List of Academy Award winners and nominees from Japan(英語版ウィキペディア) https://en.wikipedia.org/wiki/List_of_Academy_Award_winners_and_nominees_from_Japan
・第98回アカデミー賞(ウィキペディア) https://ja.wikipedia.org/wiki/第98回アカデミー賞
・おくりびと(ウィキペディア) https://ja.wikipedia.org/wiki/おくりびと
・ドライブ・マイ・カー(ウィキペディア) https://ja.wikipedia.org/wiki/ドライブ・マイ・カー
・ゴジラ-1.0(ウィキペディア) https://ja.wikipedia.org/wiki/ゴジラ-1.0
・アカデミー長編アニメ映画賞(ウィキペディア) https://ja.wikipedia.org/wiki/アカデミー長編アニメ映画賞
・万引き家族(ウィキペディア) https://ja.wikipedia.org/wiki/万引き家族
・カンヌ国際映画祭(ウィキペディア) https://ja.wikipedia.org/wiki/カンヌ国際映画祭
動画
・【速報】米アカデミー賞 山崎貴監督「ゴジラ-1.0」視覚効果賞を受賞 日本作品初の快挙|TBS NEWS DIG(TBS NEWS DIG Powered by JNN)https://www.youtube.com/watch?v=9G-_gMNIDJg
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