No.53新着 東映 京都撮影所と時代劇、任侠から現在まで
東映は1951年に出発し、5年で配収トップに立った。時代劇、任侠、実録、アニメ、テレビ、ビデオと、その時代に売れる路線へ次々と乗り換えて生き延びた会社である。
本文と出典
あらまし
東映は、東京映画配給が1951年4月1日に社名を東映に改めて再出発した会社である。京都撮影所を中心に時代劇を量産し、1956年には配給収入で松竹を抜いて業界のトップに立った。その後は路線を何度も変えている。
主なできごと
・1951年 東映株式会社として再出発
・1952年 「年間50本製作」を掲げ、東証に上場
・1956年 配収で松竹を抜き業界トップに。東映動画が発足
・1958年 日本初の総天然色長編動画映画『白蛇伝』を公開
・1959年 年間製作本数が100本を超える
・1963年 『人生劇場 飛車角』のヒットで任侠映画を量産
・1971年 岡田茂が2代目社長に就任
・1973年 『仁義なき戦い』を機に実録路線へ
・1975年 京都撮影所の一部を東映太秦映画村として公開
・1989年 オリジナルビデオ「東映Vシネマ」を開始
・2022年 渋谷TOEIの閉館に伴い、映画興行事業を子会社に一本化
・2025年 7月、東映会館が閉館
京都撮影所と時代劇
京都撮影所の敷地は、1925年に阪東妻三郎プロダクションが太秦に開いた撮影所に始まる。松竹、新興キネマ、大映の第二撮影所を経て、1947年に東横映画の撮影所となり、1951年から東映京都撮影所になった。『血槍富士』『十三人の刺客』『次郎長三国志』など数多くの時代劇を作り、テレビでも1978年から2008年まで『暴れん坊将軍』を製作した。
路線の乗り換え
東映は1954年に新作二本立て興行を始め、量産で映画館を埋めた。1950年代末には児童向け、動画、テレビ映画にも手を広げている。1963年に『人生劇場 飛車角』が当たると任侠映画を量産し、時代劇は衰退して京都撮影所では大規模な配置転換が行われた。1973年の『仁義なき戦い』以降は実録路線に移り、1977年にヤクザ映画の路線が終わった。1978年には『柳生一族の陰謀』を機に大作一本立てへ移り、同年から角川映画の配給も始めた。
1986年から1987年にかけて、映画会社として初めて年間売上1,000億円を達成したとされる。不動産やビデオなど映画以外の事業を広げたことも背景にある。
アニメと現在
東映が1950年代にアニメへ踏み出したことは、のちの強みになった。1958年の『白蛇伝』は日本初の総天然色長編動画映画で、子ども向けの『東映まんがまつり』も1966年から1967年に始まっている。2020年に手塚治が6代目社長、2023年4月に吉村文雄が8代目社長に就いた。
1956年発足の東映動画は、現在の東映アニメーションにつながる。2011年には海外映画の配給を約30年ぶりに再開した。2025年の東映会館閉館で本社は京橋エドグランへ移り、2026年4月にはゲーム事業への参入を決めている。
なぜ路線を変えられたのか
東映の路線変更は、1950年代の時代劇、1960年代の任侠、1970年代の実録、1980年代以降のビデオや不動産と、およそ十年ごとに主役が入れ替わっている。
撮影所を持ち、直営の映画館を持ち、テレビやビデオにも出資していたので、売れる型が変わるたびに人と設備を回せたと考えられる。時代劇から任侠への転換では、京都の人員が大きく動かされた。
興行の足場づくり
東映は、作る力と見せる力を同時に育てた。1953年に『ひめゆりの塔』が大ヒットして負債の返済が進み、同年に直営館第1号の渋谷東映劇場が開いた。1954年には新作二本立てを始め、美空ひばりを松竹から引き抜いた。1957年には東映スコープ第1号の『鳳城の花嫁』を公開し、1958年にはテレビ映画の製作に着手して東映テレビ・プロダクションを置いた。1959年には日本教育テレビ(現・テレビ朝日)に資本参加している。
1960年には銀座に東映会館を建てて本社を移し、第二東映を設立したが、新東宝との合併計画などで行き詰まり、2年ほどで解散した。1964年に東急から資本面で分離し、1966年から1967年に『東映まんがまつり』を始めた。1972年に東映洋画を設立し、東映フライヤーズは日拓ホームに売却した。1983年には東京撮影所の跡地に西友と共同でショッピングセンターを開いている。
評価の分かれる点
東映の「路線の乗り換え」を、時流に敏感な経営と見るか、一つの型を育てきれなかったと見るかでも評価は分かれる。
1977年を「ヤクザ映画の路線が終わった年」とする区切りは、ウィキペディアの記述による。実際には作品ごとに時期が前後するはずで、区切りの年は断定できない。
くらさんの考察
東映は、芸術性よりも「次の客層は誰か」を軸に動いた会社に見える。それが評価の分かれ目でもあり、生き残った理由でもあると考えられる。
ジージへの問いかけ
・東映の時代劇、任侠、実録のうち、映画館で一番通ったのはどれですか。
・二本立てで映画を見た経験はありますか。
出典
・ウィキペディア「東映」 https://ja.wikipedia.org/wiki/東映
・ウィキペディア「東映京都撮影所」 https://ja.wikipedia.org/wiki/東映京都撮影所
動画
・【予告編】仁義なき戦い(東映シアターオンライン)https://www.youtube.com/watch?v=QA-ylAqoFTA
・【京都・太秦映画村】大人が楽しめるテーマパークへ!観客も時代劇の世界に入り込む感覚のショーや拷問体験!? リニューアルオープンまでの舞台裏に密着【MBSニュース特集】(2026年4月3日)(MBS NEWS)https://www.youtube.com/watch?v=kS2IHFXtIjY
関連動画
この記事を読んで浮かんだ疑問は、運営者ジージが映画QAでくらさんに質問し、答えをそこに載せていきます。