No.33新着 アニメ映画 白蛇伝からジブリ、鬼滅の刃まで
1958年の東映動画『白蛇伝』を出発点に、ジブリの設立、『千と千尋の神隠し』『君の名は。』を経て、2020年に『鬼滅の刃』が国内歴代1位となった。2025年の年間興収も、アニメが牽引した。
本文と出典
あらまし
日本のアニメ映画は、1958年に東映が始めた長編から数えられる。人材のいない状態から新人を育てて作ったその1本が、のちに宮崎駿や高畑勲を生む場になった。今は、国内の興行収入の上位をアニメが占める時代である。
主なできごと
・1956年 東映が日動映画を買収し、東映動画と改称
・1958年 『白蛇伝』が10月22日に公開
・1968年 高畑勲の初監督作『太陽の王子 ホルスの大冒険』
・1984年 『風の谷のナウシカ』が3月11日に公開
・1985年 スタジオジブリが6月15日に設立される
・1997年 『もののけ姫』が7月12日に公開。興行収入214.6億円
・2001年 『千と千尋の神隠し』が7月20日に公開
・2016年 『君の名は。』が8月26日に公開。興行収入250.3億円
・2020年 『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』が10月16日に公開
・2022年 『すずめの戸締まり』が11月11日に公開。興行収入149.4億円
・2023年 『君たちはどう生きるか』が7月14日に公開
・2025年 『劇場版「鬼滅の刃」無限城編 第一章 猗窩座再来』が公開。年間興行収入は歴代最高の2744億5200万円
白蛇伝と東映動画
『白蛇伝』は、東映動画(現在の東映アニメーション)が製作し、東映が配給した。藪下泰司が演出を務め、ページの記述では日本最初のカラー長編漫画映画とされている。戦時中の『桃太郎 海の神兵』(1945年)のような長編はあったが、白黒だった。
企画は、香港のショウ・ブラザーズと東宝が作った実写映画『白夫人の妖恋』(1956年)のアニメ化を香港側が東映に持ち込んだことから始まった。東映社長の大川博は下請けではなく自前の本格的な作品を選び、1956年に日動映画を買収して東映動画とし、スタジオを建てて新人を養成するところから始めた。作画に約7か月、新人の動画担当42名が参加し、原画は1万6474枚、動画は6万5213枚、製作費は4047万1000円とされる。俳優の動きをなぞる手法も初めて採り入れられた。
児童映画祭では特別賞を受け、国内でも各賞を受けている。宮崎駿は観に行って作品の出来に圧倒されたと語り、主人公の声を演じた森繁久彌の演技に感銘を受けて、のちに『もののけ姫』で乙事主役を依頼した。
高畑勲、宮崎駿、そしてジブリ
高畑勲は1935年に生まれ、1959年に東映動画の第1期の演出助手として入った。1968年の『太陽の王子 ホルスの大冒険』が初の長編演出で、後年は高く評価されたが、公開当時は予算と日程の超過や宣伝のずれで興行は振るわなかったとされる。宮崎駿は東映動画の後輩で、1971年にAプロダクションへ移るときも行動を共にした。
『風の谷のナウシカ』の成功のあと、宮崎と鈴木敏夫は制作会社を探していた。高畑が「スタジオを作ってしまいませんか」と提案し、1985年に徳間書店の出資でスタジオジブリが設立された。前身は原徹が設立したトップクラフトである。高畑は経営には加わらなかった。ジブリは1997年に徳間書店へ吸収合併され、2005年に分離、独立している。
作品では、『となりのトトロ』(1988年4月16日)が『火垂るの墓』との2本立てで公開された。『もののけ姫』の興行収入214.6億円は、当時の国内歴代1位とされる。『千と千尋の神隠し』は配給収入316.8億円、観客動員2380万人。この作品と『君たちはどう生きるか』は、アカデミー賞の長編アニメ映画賞を受けたとされる。
興行の最前線 君の名は。から鬼滅の刃へ
新海誠監督の『君の名は。』(コミックス・ウェーブ・フィルム)は、国内の最終興行収入が250.3億円、動員は1928万人である。ウィキペディアの記述では、国内歴代4位、邦画では当時2位とされている。
その記録を大きく塗り替えたのが『劇場版「鬼滅の刃」無限列車編』である。公開は2020年10月16日で、興行収入は公開時点の集計で404億2877万円、2025年のリバイバル上映を含めると407億5000万円とされる。続く無限城編 第一章は、2025年9月15日までの累計で動員2304万人、興収330億5606万円となり、『千と千尋の神隠し』を抜いて歴代2位になった。映連の集計では、2025年末までに391億4000万円である。
2025年の国内年間興行収入は2744億5200万円で、2019年の2611億8000万円を超えて歴代最高だった。前年比は132.6%、観客動員は1億8875万6000人である。その中で『名探偵コナン 隻眼の残像』は147億4000万円、『チェンソーマン レゼ篇』は104億3000万円となった。2026年上半期についても、日経の記事の抜粋によれば、興行収入の上位3位はアニメが占めた。
評価の分かれる点
数字の数え方は資料で揃わない。『千と千尋の神隠し』の316.8億円は、ジブリの項では配給収入、無限城編の報道では2020年夏の再上映を含む興行収入と書かれている。配給収入と興行収入は計算の基準が違うため、並べて順位を論じるときは注意が要る。『君の名は。』の世界興収も、ウィキペディアの中で40563万ドルと36102万ドルの2つの記述がある。
くらさんの考察
『白蛇伝』が新人の育成から始まり、その卒業生が自分たちのスタジオを作ったという流れは、日本のアニメ映画が個人の才能だけでなく、会社が人を育てる投資の上に成り立ったことを示していると考えられる。近年の記録の連続は、特定の人気作だけでなく、アニメが劇場に人を集める手段として定着したことを反映している可能性がある。
ジージへの問いかけ
・子どものころに初めて映画館で見た漫画映画は、何でしたか。
・ジブリ作品のうち、いちばん好きな作品はどれでしょうか。
・近年のアニメ映画の大ヒットを、どう感じていますか。
出典
・白蛇伝(1958年の映画)(ウィキペディア) https://ja.wikipedia.org/wiki/白蛇伝_(1958年の映画)
・スタジオジブリ(ウィキペディア) https://ja.wikipedia.org/wiki/スタジオジブリ
・高畑勲(ウィキペディア) https://ja.wikipedia.org/wiki/高畑勲
・君の名は。(ウィキペディア) https://ja.wikipedia.org/wiki/君の名は。
・すずめの戸締まり(ウィキペディア) https://ja.wikipedia.org/wiki/すずめの戸締まり
・無限城編の歴代2位浮上(MOVIE WALKER PRESS) https://press.moviewalker.jp/news/article/1293670/
・2025年の年間興行収入(ハリウッド・リポーター日本版) https://hollywoodreporter.jp/?p=173210
・26年上半期映画ランキング(日経クロストレンド) https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/01408/00001/
動画
・【予告編】白蛇伝(東映シアターオンライン)https://www.youtube.com/watch?v=ps__-oqehic
・劇場版「鬼滅の刃」無限列車編 本予告 2020年10月16日(金)公開(アニプレックス チャンネル)https://www.youtube.com/watch?v=qHUpPzDVv7g
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