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No.37新着 青春・アイドル・恋愛映画 太陽族から角川映画、少女漫画原作まで

1956年の太陽族映画は映倫の見直しまで招いた。1976年に始まる角川映画は本と映画と音楽を組み合わせ、アイドルを育てた。2010年代の少女漫画原作は量産され、ノベル原作へ軸が移った。

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登録日時
2026年10月29日 13:38
出典を確かめた日
2026年10月29日
分野
ジャンル
立場
事実・データ
タグ
邦画新着日活・大映新着角川・ジブリ新着女優新着男優新着
作品・人物
石原裕次郎、石原慎太郎、角川春樹、薬師丸ひろ子、原田知世
資料の種類
事典・概説
年代
1956年、1980年代、2010年代

本文と出典

あらまし

青春映画は、その時代の若者の姿を映す。日活が1950年代に描いた若者は社会問題として論じられ、角川映画は1970年代末から10代の観客を映画館に呼び、2010年代には少女漫画の実写化が量産された。それぞれ、売る側が若い観客をどう捉えたかの記録でもある。

主なできごと

・1956年 日活『太陽の季節』が5月17日に公開。石原慎太郎の小説は第34回芥川賞(1956年1月23日に受賞決定)
・1956年 『処刑の部屋』(6月)、『狂った果実』(7月12日)が続き、「太陽族映画」と呼ばれる
・1976年 角川映画の第1作『犬神家の一族』。配給収入15.6億円
・1981年 『セーラー服と機関銃』。配給収入23億円
・1982年 角川春樹事務所のコンテストで渡辺典子と原田知世が選ばれる
・1983年 『時をかける少女』。『探偵物語』との2本立てで配給収入28億円
・2017年と2018年 少女漫画原作の青春映画が年10本以上作られる
・2023年 『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』が大ヒット。ノベル原作が主流に

太陽族映画 映倫を動かした1956年

石原慎太郎の小説『太陽の季節』は、1956年1月に第34回芥川賞(1955年下半期)に決まった。日活は同年5月17日に映画を公開した。監督は古川卓巳で、脚本も担当した。石原裕次郎は脇役の伊豆役で出演し、これがデビュー作だった。
大宅壮一との対談の中で「太陽族」という言葉が使われて流行語になった。続いて6月に『処刑の部屋』、7月12日に『狂った果実』が公開され、これらも太陽族映画と呼ばれた。『狂った果実』は中平康の監督で、石原裕次郎、北原三枝、津川雅彦が出演し、原作と脚本は石原慎太郎だった。各地で未成年者の観覧禁止などの自主規制が行われ、青少年犯罪との関連が論じられた。
その余波は制度にも及んだ。製作者の内部機関だった映画倫理規程管理委員会が、外部の第三者も加わる映画倫理管理委員会(現在の映画倫理委員会)に改められるきっかけになったとされる。日活が1956年に裕次郎を迎えて若者向けの路線に転換した経緯は、前の項の日活アクションとつながる。

角川映画 本と映画と音楽をつなぐ

角川書店社長の角川春樹は、書籍の売上を伸ばすため映画を宣伝に使うことを考えた。1976年に第1作『犬神家の一族』を公開し、同年に角川春樹事務所を設立した。配給収入は15.6億円。映画、書籍、音楽、テレビCMを組み合わせる手法は「角川商法」と呼ばれ、角川文庫に映画割引券を挟む工夫もあった。横溝正史や森村誠一らの小説を次々と映画化した。
1977年の『人間の証明』は配給収入22.5億円、1978年の『野性の証明』は21.8億円である。1981年の『セーラー服と機関銃』は製作費約1.5億円、配給収入23億円で、薬師丸ひろ子が人気を集めた。1982年に角川春樹事務所のコンテストで渡辺典子と原田知世が選ばれ、薬師丸と合わせて「角川3人娘」と呼ばれた。1983年の『時をかける少女』は、原田知世の主演で、『探偵物語』との2本立てにより配給収入28億円となった。薬師丸は1985年に事務所から独立し、翌1986年に事務所は芸能部門から撤退している。
角川映画は2002年に角川書店が経営不振の大映と親会社の徳間書店の事業を取得して角川大映映画となり、2011年1月1日に法人としての角川映画は消滅した。「角川映画」は映像事業のブランド名として残った。

少女漫画原作とキラキラ映画

2010年代には、少女漫画を原作にした青春映画が量産され、「キラキラ映画」とも呼ばれた。リアルサウンドの2024年3月27日付の記事によれば、2017年と2018年には年10本以上が作られたが、興行的な成功にはつながらず、2020年から低迷した。連載中の原作を映画化した11本(2014年から2019年)のうち、6本は興行収入10億円を超えたという。一方、松竹は年1本ほどのペースで続け、『ハニーレモンソーダ』(2021年)が約10億円、『モエカレはオレンジ色』(2022年)が約7.7億円、『なのに、千輝くんが甘すぎる。』が約10.1億円となった。2023年末の『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』の大ヒットで、ティーン向けの主流はノベル原作に移ったとされる。

評価の分かれる点

太陽族映画の影響をどう測るかは一致しない。当時は青少年犯罪との関連が論じられ、自主規制が行われたが、作品そのものが犯罪を生んだという因果は、手元の資料では確かめられない。キラキラ映画の評価も、量産で興行が伸びなかった面と、タイミングが合えば成功した面とで分かれている。

くらさんの考察

日活の太陽族映画、角川のアイドル映画、少女漫画の実写化は、どれも「若い観客に先に届いたものを映画にする」点で共通する。ただし、石原慎太郎の小説、角川文庫、少女漫画の連載という入口の違いが、規制を招いたか、複合的な商法を生んだか、短命で終わったかの差になったと考えられる。

ジージへの問いかけ

・1956年の太陽族映画が話題になったとき、周りの大人や学校の反応はどうでしたか。
・角川映画の文庫と映画を合わせた売り方を、当時どう感じましたか。
・薬師丸ひろ子や原田知世の映画は、どんな観客が見に来ていたと思いますか。

出典

・太陽の季節(ウィキペディア) https://ja.wikipedia.org/wiki/太陽の季節
・狂った果実(1956年の映画)(ウィキペディア) https://ja.wikipedia.org/wiki/狂った果実_(1956年の映画)
・角川映画(ウィキペディア) https://ja.wikipedia.org/wiki/角川映画
・日活(ウィキペディア) https://ja.wikipedia.org/wiki/日活
・『恋わずらいのエリー』は少女漫画原作の活路となる?(リアルサウンド) https://realsound.jp/movie/2024/03/post-1613047.html/amp

動画

・太陽の季節(【公式】日活配信チャンネル)https://www.youtube.com/watch?v=Mo04z9Uyzbg
・【予告篇】『セーラー服と機関銃』(角川シネマコレクション)https://www.youtube.com/watch?v=XZkBhfbvgbA

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