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No.56新着 角川書店と角川映画 本と映画を組み合わせた宣伝

角川春樹は1976年の『犬神家の一族』で映画製作に入り、文庫の宣伝と映画の宣伝を一つにするメディアミックスを日本映画に持ち込んだ。1993年に春樹が角川書店を去り、2002年には大映の映画事業を引き継いだ。

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登録日時
2026年10月29日 13:38
出典を確かめた日
2026年10月29日
分野
映画会社と業界
立場
くらさんの考察
タグ
邦画新着角川・ジブリ新着東宝新着監督新着
作品・人物
角川春樹、犬神家の一族、市川崑、横溝正史、薬師丸ひろ子、原田知世
資料の種類
事典・概説
年代
1976年、1980年代、2002年

本文と出典

あらまし

角川映画は、出版社の角川書店が映画製作に乗り出して始まった。1976年に角川春樹事務所が作った『犬神家の一族』が最初の作品である。本を売るために映画を作り、映画を宣伝するために本を使う、メディアミックスの代表例として語られる。

主なできごと

・1975年 ATGの『本陣殺人事件』に出資。以後、映画製作へ
・1976年 『犬神家の一族』公開。角川春樹事務所を設立
・1981年 『セーラー服と機関銃』が小さな製作費で大きな利益を上げる
・1982年 薬師丸ひろ子と原田知世がコンテストで見いだされる
・1983年 『探偵物語』と『時をかける少女』の二本立てで約28億円
・1993年 春樹がコカイン密輸事件で逮捕され、角川書店を離れる
・2002年 角川書店が大映の映画事業を取得
・2011年 角川映画の会社が角川書店に合併され、「角川映画」はブランド名となる

『犬神家の一族』

市川崑が監督し、東宝が配給した。1976年10月16日に日比谷映画劇場で先行上映され、11月13日にも公開日が記される。製作費は2億2000万円で、配給収入は約15億6000万円、同年の邦画の2位だった。宣伝費は総額3億円で、1000万冊以上の角川文庫に映画の広告入りの栞を挟み、割引券にも使った。邦画でテレビのスポットCMを使ったのは本作が初めてとされる。横溝正史の角川文庫は累計1800万部の販売が記される。

読んでから見るか、見てから読むか

この標語は、角川映画の姿勢を示す言葉として広く知られる。ただ、今回確かめた資料の範囲では、『犬神家の一族』の項にこの文句の記述はなく、テレビCMの文句として挙げられていたのは「金田一さん、事件ですよ」だった。検索で見つかった図書館資料は、このコピーを森村誠一原作の『人間の証明』映画化の宣伝文句として紹介していた。最初に使った作品や考案者は、今回の資料では断定できない。

その後の角川映画

1980年の『復活の日』は製作費約22億円、収入約24億円とされ、大作から離れるきっかけになった。1981年以降は、アイドル主演の二本立てに軸を移した。春樹は1993年に逮捕され、角川書店を離れた。同年の『REX 恐竜物語』が、春樹の角川での最後の映画とされる。1997年に「新角川映画」として再び動き出し、2002年に大映の映画事業を取得した。

なぜ受けたのか

1970年代の邦画は撮影所の力が落ち、テレビが娯楽の中心になりつつあった。そこで文庫の読者という、映画会社が持たない客層に直接宣伝できたことが、角川映画の新しさだったと考えられる。

『人間の証明』と大作路線

1977年の『人間の証明』は、日活の撮影所で撮られ、東映が配給し、東宝系の洋画館でも上映された。テレビCMとメディアミックスの手法が注目された作品である。1978年から1979年には『野性の証明』『戦国自衛隊』と大作が続いた。1983年にはアニメ『幻魔大戦』で初めてアニメにも進出している。
1985年から1986年には薬師丸ひろ子が事務所を離れ、事務所は芸能部門から撤退した。1990年の『天と地と』は興行収入が約92億円とされる。1992年の『ルビー・カイロ』が不振で、角川書店内での家族の対立が重なり、春樹が会社を去る一因になったとされる。1995年から1998年はヘラルド系のエース ピクチャーズと組み、のちにアスミック・エース エンタテインメントへ統合された。2004年から2007年には角川映画の会社が日本ヘラルド映画と合併し、社名を何度か変えている。2010年にアスミック・エースが角川グループを離れ、2017年に「KADOKAWAアニメーション」のレーベルが始まった。2022年には会長が交代した。2026年3月にはアニプレックスと、アニメ配給会社のアニメックを設立した。

評価の分かれる点

角川映画への評価は、宣伝の巧みさを評価する見方と、原作の売り込みに偏り作品の質が二の次になったとする批判に分かれる。ここは本稿では断定しない。

くらさんの考察

本と映画を同時に売る手法は、後の製作委員会方式にも通じる。ただし角川は出版社が中心に座った点で、複数社の相乗りとは性格が違うと考えられる。

ジージへの問いかけ

・角川文庫の栞や映画の宣伝を、当時どこで目にしましたか。
・本を読んでから映画を見ることはありましたか、それとも逆でしたか。

出典

・ウィキペディア「角川映画」 https://ja.wikipedia.org/wiki/角川映画
・ウィキペディア「犬神家の一族(1976年の映画)」 https://ja.wikipedia.org/wiki/犬神家の一族_(1976年の映画)
・ウィキペディア「角川春樹」 https://ja.wikipedia.org/wiki/角川春樹

動画

・【予告篇】『セーラー服と機関銃』(角川シネマコレクション)https://www.youtube.com/watch?v=XZkBhfbvgbA
・「カ・イ・カ・ン……」が4Kで蘇る!『セーラー服と機関銃』『時をかける少女』『失楽園』『Wの悲劇』など名作を一挙上映「角川映画祭」4K予告編(シネマトゥデイ)https://www.youtube.com/watch?v=s9pRe7mGw6k

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