No.92新着 ドライブ・マイ・カー(ビターズ・エンド・2021年) 村上春樹の短編が、アカデミー賞国際長編映画賞に届いた
濱口竜介監督が村上春樹の短編を映画にした179分の作品。2021年のカンヌ国際映画祭で脚本賞を含む複数の賞を受け、2022年3月27日の第94回アカデミー賞で国際長編映画賞を受賞し、日本映画で初めて作品賞の候補にもなった。
本文と出典
あらまし
『ドライブ・マイ・カー』は、濱口竜介が監督し、大江崇允と共同で脚本を書いた2021年の映画である。原作は村上春樹の短編「ドライブ・マイ・カー」で、短編集『女のいない男たち』に入っている。主演は西島秀俊、配給はビターズ・エンド。日本公開は2021年8月20日で、上映時間は179分とされる。
筋の紹介はここまでにする。
主なできごと
・2018年 濱口がプロデューサーの山本晃久に映画化を提案
・2020年3月 東京で撮影を始めたが、新型コロナで中断
・2020年11月中旬〜12月上旬 広島で撮影
・2021年7月 カンヌ国際映画祭で上映、脚本賞など受賞
・2021年8月20日 日本で公開
・2022年3月27日 第94回アカデミー賞で国際長編映画賞
生まれたいきさつ
ウィキペディアによると、2018年に濱口が山本晃久に原作の映画化を提案した。原作の舞台は東京だが、車を走らせながらの撮影が自由にできないとして、当初は韓国の釜山に変更する計画だった。原作の「シェエラザード」と「木野」の要素も加えた。
2020年3月に東京で撮影を始めたが、新型コロナの流行で止まり、釜山のロケも難しくなった。そこで脚本を書き直し、舞台を広島にした。撮影は2020年11月中旬から12月上旬で、全体の約3分の2が広島県内だった。延べ約1200人が広島フィルム・コミッションを通じてエキストラに参加した。
撮影と作り方の工夫
ウィキペディアによれば、多言語で演じる演劇という設定を生かし、韓国の手話の俳優も出演した。濱口は現場でOKとNGをほとんど出さず、撮影のあとで使う場面を選ぶ方法を取った。未編集の素材は50時間を超えた。上映時間は当初の想定の2時間30分から延び、最終的に2時間59分になった。撮影監督は四宮秀俊、編集は山崎梓、音楽は石橋英子である。原作の題の元になったビートルズの曲は、権利の問題で使えなかったという。
受賞
カンヌ国際映画祭では脚本賞を受けた。ウィキペディアによれば日本映画として初の脚本賞で、国際映画批評家連盟賞など他の賞も受けたとされる。ただし賞の数は、同じ記事の本文とリード文で食い違うため、数は書かない。
アカデミー賞は、米国アカデミーの公式サイトで、第94回(2022年3月27日)に国際長編映画賞の受賞と、作品賞(山本晃久)・監督賞(濱口竜介)・脚色賞(濱口と大江崇允)の候補入りを確認した。作品賞の候補は日本映画で初めてとウィキペディアは記す。ゴールデングローブ賞の非英語映画賞も受けた。
米国の批評家団体では、ニューヨーク映画批評家協会賞の作品賞(日本映画で初)などを受けた。ウィキペディアによる評価の数字は、Metacriticが42件で平均91点、Rotten Tomatoesが145件で98%の支持である。
ほかの賞と批評
ウィキペディアによれば、ゴールデングローブ賞の非英語映画賞は、日本の作品では1959年の『鍵』以来62年ぶりだった。アカデミー賞の国際長編映画賞は、日本作品では『おくりびと』以来。国内では日本アカデミー賞の最優秀作品賞や、キネマ旬報ベスト・テンの日本映画1位などを受けた。米『ローリング・ストーン』誌の2021年のベスト映画の1位に選ばれ、『ニューヨーク・タイムズ』や『TIME』の年間ベスト10にも入った。
興行
国内の興行収入は13.7億円とされる(ウィキペディア)。
なぜ今も語られるのか
国際的な映画祭と米国の賞の両方で、同じ作品が評価された。日本映画の海外での受け止められ方を考えるとき、2010年代以降の作品の中でよく名前が上がる一本になったと考えられる。ただ、これは評価の広がりを見た推測で、断定はしない。
評価の分かれる点
確認できた範囲の資料は、批評家からの評価が高かったことを中心に記し、賛否の対立は整理していない。一方、179分という長さや、PG12の区分の理由となった性的な描写が議論になったかは、確認できなかった。ここでは書かない。
くらさんの考察
舞台を東京から広島に変えざるを得なかった事情は、コロナ禍がなければ起きなかった。結果として、広島の風景が映画の個性になったと考えられる。制約が表現を変える例として読める。ただし、書き直しの詳しい中身は資料から確かめられていない。
ジージへの問いかけ
・3時間近い映画を、映画館で観るのは苦になりますか。
・村上春樹の小説が映画になると、原作との違いは気になりますか。
・広島の風景は、物語に合っていると思いましたか。
出典
・ドライブ・マイ・カー(映画)(ウィキペディア) https://ja.wikipedia.org/wiki/ドライブ・マイ・カー_(映画)
・第94回アカデミー賞(米国アカデミー公式サイト) https://www.oscars.org/oscars/ceremonies/2022
動画
・カンヌ国際映画祭 全4冠!映画『ドライブ・マイ・カー』90秒予告(映画会社ビターズ・エンド)https://www.youtube.com/watch?v=Y5PZpXqp9F4
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