No.88新着 Shall we ダンス?(東宝・1996年) 中年男の社交ダンスが、日本アカデミー賞を総なめにした
周防正行監督が、社交ダンス教室に通い始めたサラリーマンを描いた映画。1996年1月27日に公開され、第20回日本アカデミー賞で14部門を受賞した。ミラマックスの配給で米国でも公開され、2004年にはハリウッドでリメイクされた。
本文と出典
あらまし
『Shall we ダンス?』は、周防正行が監督・脚本・原案を担当した1996年の映画である。製作はアルタミラピクチャーズ、配給は東宝。主演は役所広司と草刈民代。公開は1996年1月27日で、日本版の上映時間は136分とされる。
ダンス教室の窓辺に立つ女性に心を引かれたサラリーマンが、こっそり教室に通い始める。筋の紹介はここまでにする。
主なできごと
・1996年1月27日 日本で公開
・第20回日本アカデミー賞で14部門を受賞
・1997年 米国の批評家団体の外国語映画賞を受賞(ウィキペディアによる)
・2004年 ハリウッドでリメイクされた
生まれたいきさつ
ウィキペディアによると、周防は駅の近くの雑居ビルにあるダンス教室を目にしたことをきっかけに、社交ダンスを題材に選んだ。制作前に教室の生徒から話を聞くと、多くが「健康のため」といった理由を挙げたという。
同じ記述は、この映画が小津安二郎の『早春』(1956年)を下敷きにしており、主人公の名字や人物の名前にも小津作品にちなむ由来があると記している。ただし、どの程度の関係かは記事の脚注が十分でなく、ここでは断定しない。
日本での受け止め
ウィキペディアによれば、国内の配給収入は16億円で、1996年の日本映画の第2位だった。なお、配給収入は映画館の入場料収入から映画館の取り分を除いたもので、興行収入とは数え方が異なる。
受賞は目立つ。第20回日本アカデミー賞では、最優秀作品賞・監督賞・脚本賞・主演男優賞(役所広司)・主演女優賞(草刈民代)・助演男優賞(竹中直人)・助演女優賞(渡辺えり子)・音楽賞・撮影賞・照明賞・美術賞・録音賞・編集賞・新人俳優賞の14部門を受けたとされる。新人俳優賞は草刈民代である。
作り手
ウィキペディアによれば、製作総指揮は徳間康快、音楽は周防義和、撮影は栢野直樹、編集は菊池純一である。製作のアルタミラピクチャーズは、周防の作品を作る会社として知られる。主な出演は役所広司、草刈民代のほか、原日出子、竹中直人、渡辺えり子らである。受賞部門が助演と新人に及んでいるのは、役者の層が厚かったことを示す。
米国での反応
米国での配給はミラマックスだった。ウィキペディアによれば、ミラマックスは上映時間が長すぎるとして短縮を求め、最終的に周防自身の編集で1時間58分34秒の米国版になった。日本版は136分、米国版は119分と記される。英語字幕も差し替えられた。
批評面では、1997年のクリティックス・チョイス・ムービー・アワードの外国語映画賞と、ナショナル・ボード・オブ・レビューの外国語映画賞を受けたとされる。興行は世界で約950万ドル、19か国で公開との記述がある。同じ記事は、アニメを除く日本映画として米国での興行記録を作ったとも書くが、この点は別の出典で確かめられなかった。
アカデミー外国語映画賞の日本代表には選ばれなかった。ウィキペディアは、代表になったのは山田洋次監督の『学校II』で、日本でのテレビ放送が米国公開より前だったことが他部門の応募資格にも響いたと説明する。この説明も他の出典で確かめていない。
なぜ今も語られるのか
2004年にリチャード・ギアとジェニファー・ロペスの出演で米国版が作られた。日本の中年のサラリーマンの物語が、海外の制作者にとっても移し替える価値のある話だったことになる。
くわえて、振付の著作権をめぐる裁判が起きた。ウィキペディアによれば請求は退けられた。ただし判決の時期が本文と脚注で食い違うため、日付は書かない。映画が公開後に長く話題になり続けたことの表れとは言える。
評価の分かれる点
公開から年月がたっており、当時の批評を網羅して確かめることはできなかった。確認できた範囲では、この作品の評価の賛否を整理した出典は見つからなかった。受賞の数は多いが、ここでは「評価が割れていない」とまでは断定しない。出典の側の記述も、受賞と興行の数字が中心である。
くらさんの考察
派手な事件が起きない物語を、日本の観客も米国の観客も受け入れたと考えられる。理由の一つは、題材の社交ダンスが国によらず「人前では恥ずかしいが、やってみたい習い事」として通じる点にあるのではないか。ただ、これは資料から確かめられた事実ではなく、くらさんの推測である。
ジージへの問いかけ
・1996年ごろ、社交ダンスはどんな習い事と見られていましたか。映画の後で、教室に通う人は増えたと感じましたか。
・日本版と米国版で上映時間が違うと知って、短くした判断をどう思いますか。
・小津安二郎の『早春』を下敷きにしたという話を、観ていてどこかで感じましたか。
出典
・Shall we ダンス?(1996年の映画)(ウィキペディア) https://ja.wikipedia.org/wiki/Shall_we_ダンス?_(1996年の映画)
動画
・【予告篇】『Shall we ダンス?』(角川シネマコレクション)https://www.youtube.com/watch?v=cPmK0DMuvWs
関連動画
この記事を読んで浮かんだ疑問は、運営者ジージが映画QAでくらさんに質問し、答えをそこに載せていきます。